牟礼の家(工事中)




長野県北部に位置する飯綱町の新築住宅の計画。敷地は、かつて加賀と江戸を繋いだ旧北国街道に面している。人やモノ、情報が行き交った元宿場町は現在でも人や車の流量が多く、まちの中心部に位置づけられる。クライアントはすぐ近くで飲食店を営んでおり、仕事や生活、子どもの送り迎えや休日の過ごし方など、この通りで多くの時間を過ごすことからまちに参加する建築の佇まいを模索した。敷地北側に流れる鳥居川は飯綱町合併前の旧牟礼村と旧三水村の境界であった。牟礼で生まれ育ったご主人と三水で生まれ育った奥さまが、この建築を介して互いの風景を積極的に感じられるよう、建築の真ん中に「通り土間」のような空間を挿入した。プライバシーを意識しながら限定した1間の間口の通り土間はまちのスケールを内部に引き込んでいる。通りに面して内部の灯りがまちを照らす姿はまるで塔のようであり、宿場町時代の狭い間口を思い出させる。内部空間にも多様な場を計画した。通り土間に面して大小様々な場所が顔を出し集まる場と個人の場の距離感を調整している。


2024.09~
計画敷地 : 長野県上水内郡飯綱町
家族構成 : 4人家族
主要用途 : 個人住宅
敷地面積
建築面積
延床面積
構造規模 : 木造、2階建
設計監理 : 小松剛之+戸井達弥
構造設計 : 株式会社三野建築構造研究所
施工会社 : 飯島建設株式会社
写真撮影

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