棲み継ぐ築100年古民家

敷地は長野県長野市内の中心部で公官庁の建築群が集積するエリアにポツンと取り残されたように佇む古民家である。大正15年に建てられ改修時で築100年目となる文化財レベルの改修プロジェクト。既存古民家は改修履歴があるものの、石場建で築100年経った状態とは思えないほどに柱や梁、土台、建具が凛と構えていた。竣工当時の大工がベテランの大工だとすれば、明治初期か江戸時代生まれの人たちが作った住宅ということになる。今回は第一期工事としてキッチン、浴室、脱衣室等の水周りエリアを中心に現代生活にフィットさせることを要望された。改修と同時に耐震補強や断熱性能の向上も同時に行い、先人の意志を繋ぎ101年目の未来へ向けて建主が棲み継いでいくプロジェクトである。解体してみないと不明な点が多いことから、改修工事中の設計変更が多く非常に難易度の高い工事であったが、経験豊富な現場代理人の指揮のもとベテラン大工の職能も相まって、デザインと施工が高次元で融合することができた。既存柱の撤去部分には鉄骨ブレース等の最新技術も取り入れ、デザインを担保する構造的な裏付けが空間の支えとなっている。水廻りとリビングの境界には100%再生建材を用いたプロセ二アムを設け、新しい部分と古い部分のギャップを最大化させようと試みたデザインである。
2025.09~2026.03
計画敷地 :長野県長野市
建築主 :夫婦2人+子1人
主要用途 :個人住宅
建築面積 :114.08㎡
延床面積 :114.08㎡
設計監理 :小松剛之+戸井達弥
構造設計 :株式会社三野建築構造研究所
施工会社 :株式会社清水住建工業
写真撮影 :西優紀美
© Ko place architects